キャリアコンサルタントとは、働く人のキャリア形成や職業選択を支援する国家資格の専門職です。就職・転職の相談だけでなく、仕事の悩みや将来のキャリアについて、対話を通じて整理し、納得できる意思決定をサポートします。

私も国家資格キャリアコンサルタントとしてキャリア支援の理論を学び、実際にキャリア支援の仕事にも携わってきました。
キャリアコンサルタントは企業の人材育成や大学のキャリア支援、ハローワークなど、さまざまな分野で活躍しています。この記事では、キャリアコンサルタントの仕事内容や役割、向いている人の特徴、資格取得の方法についてわかりやすく解説します。
キャリアコンサルタントとはキャリア形成を支援する専門家

キャリアコンサルタントとは、働く人のキャリア形成を支援する専門家です。キャリア形成とは、仕事や働き方を通じて自分の能力や経験を積み重ねながら、将来の方向性を築いていく過程のことを指します。
キャリアコンサルタントは、相談者との対話を通じて仕事に関する悩みや不安、将来のキャリアについて整理し、自分に合った選択ができるよう支援します。アドバイスを一方的に与えるのではなく、相談者自身が考えを深め、納得して意思決定できるようサポートすることが特徴です。
そのためキャリアコンサルタントは、就職・転職の相談だけでなく、キャリアの方向性に迷っている人や、仕事の悩みを抱えている人など、幅広い相談に対応するキャリア支援の専門家といえます。
キャリアコンサルタントが活躍する主な職場

キャリアコンサルタントは、さまざまな場所で活躍している専門職です。
代表的な職場としては、次のような場所があります。
- 公的機関(ハローワーク・ジョブカフェなど)
- 大学(キャリアセンター)
- 民間企業(人材会社・企業人事など)
- フリーランス(独立して活動)
それぞれの職場によって、支援する対象や仕事内容、働き方には違いがあります。
公的機関(ハローワーク・ジョブカフェなど)
キャリアコンサルタントが活躍する代表的な職場の一つが、ハローワークなどの公的機関です。

ハローワークでは、キャリアコンサルタント資格を持っていると採用時に評価される場合が多いです。
ハローワークでは、求職者に対してキャリア相談を行ったり、職業訓練の受講前に実施される「訓練前キャリアコンサルティング」を担当したりします。また、就職活動の進め方や求人の探し方などについてアドバイスを行うこともあります。
若年者向けの就労支援施設であるジョブカフェなどでも、キャリアコンサルタントが相談支援を行っています。公的機関では、幅広い年代の求職者を支援するのが特徴です。
大学(キャリアセンター)

大学のキャリアセンターでも、キャリアコンサルタントは重要な役割を担っています。
主な仕事は、就職活動を控えた学生へのキャリア相談や進路相談です。自己分析のサポートや応募書類の添削、面接対策などを行いながら、学生が自分に合った進路を見つけられるよう支援します。

私自身、大学のキャリアセンターで学生のキャリア相談にのることが多いのですが、これから社会に出ていく学生の悩みに寄り添う時間は、とてもやりがいを感じる瞬間です。
また、就職ガイダンスやキャリア講座などの企画・運営に関わる場合もあり、学生のキャリア形成を長期的にサポートする役割を担っています。
民間企業(人材会社・企業人事など)
民間企業でもキャリアコンサルタントは活躍しています。
人材紹介会社や転職エージェントでは、求職者のキャリア相談を行いながら、希望や経験に合った企業を紹介する仕事を担当します。また、企業側の採用ニーズを聞き取り、求職者と企業のマッチングを行う役割もあります。
企業の人事部門で働くキャリアコンサルタントは、社員のキャリア面談や人材育成に関わることが多く、社員一人ひとりのキャリア形成を支援します。
フリーランス(独立して活動)

キャリアコンサルタントとして経験を積んだ後、フリーランスとして独立して活動する人もいます。
フリーランスの場合は、個人向けのキャリア相談をオンラインで行ったり、企業や大学から依頼を受けてキャリア研修や面談を担当したりするなど、さまざまな形で活動することができます。
働き方の自由度が高いのが特徴で、自分の専門分野や得意な支援領域を活かした活動が可能になります。
キャリアコンサルタントの主な仕事内容

キャリアコンサルタントの主な仕事内容には、以下のようなものがあります。
- キャリア相談(キャリアカウンセリング)
- 就職・転職の意思決定支援
- キャリア形成のアドバイス
キャリア相談(キャリアカウンセリング)
キャリア相談(キャリアカウンセリング)は、仕事に関する悩みや不安について話を聞きながら、相談者が自分の考えを整理できるよう支援する仕事です。たとえば「今の仕事を続けるべきか」「自分に向いている仕事がわからない」といった悩みについて、対話を通じて気持ちや考えを整理していきます。
キャリアコンサルタントは、相談者のこれまでの経験や価値観、強みなどを一緒に振り返りながら、今後のキャリアについて主体的に考えられるようサポートします。
就職・転職の意思決定支援

就職や転職など、進路を選ぶ場面で意思決定を支援することもキャリアコンサルタントの重要な役割です。たとえば、どのような仕事が自分に合っているのかを整理したり、応募する企業や求人を比較しながら検討したりします。
また、応募書類の方向性を考えたり、面接に向けて自分の強みや経験を整理したりするなど、就職活動や転職活動を進めるうえでのサポートを行うこともあります。
キャリア形成のアドバイス
キャリア形成のアドバイスでは、将来のキャリアを見据えてどのような経験やスキルを積んでいくとよいかを一緒に考えます。たとえば「今の仕事でどのような経験を積むと将来の選択肢が広がるのか」「どのようなスキルを身につけるとキャリアアップにつながるのか」などを整理します。
現在の状況だけでなく、中長期的な視点からキャリアの方向性を考えることも、キャリアコンサルタントの重要な支援の一つです。
キャリアコンサルタントの役割

キャリアコンサルタントの役割は、働く人が自分らしいキャリアを築けるよう支援することです。仕事や働き方の価値観が多様化する中で、個人が自分に合ったキャリアを主体的に考えることがますます重要になっています。
キャリアコンサルタントは、相談者の経験や価値観、強みなどを整理しながら、キャリアの方向性を考えるサポートを行います。単に仕事を紹介するのではなく、相談者が自分自身を理解し、納得できるキャリアの選択ができるよう支援することが大きな役割です。
また、個人だけでなく、企業や教育機関などにおいて人材育成やキャリア教育を支援する役割もあります。働く人が長期的に成長し、社会の中で活躍できるよう支える専門職として、キャリアコンサルタントの重要性は年々高まっています。
キャリアコンサルタントに向いている人の特徴

キャリアコンサルタントに向いている人には、以下の特徴があります。
- 人の話を丁寧に聞ける人
- 人の成長や変化を支援したい人
人の話を丁寧に聞ける人
キャリアコンサルタントは相談者の話を丁寧に聞く姿勢が求められます。相談者は仕事の悩みや将来への不安など、さまざまな思いを抱えて相談に訪れるため、話を途中で否定したり結論を急いだりせず、気持ちや考えを受け止めながら耳を傾けることが大切です。
また、人の話を丁寧に聞くことは、ただ黙って聞き続けることではありません。傾聴を通して相談者が安心して話せる環境をつくり、必要に応じて質問や話の整理を行いながら、相談者が自分の考えや感情を整理できるよう支えることが重要です。
このように、相手の状態や支援の目的を踏まえながら適切な関わり方を考え、「どこまで聞くか」を見極めて関わることが、人の話を丁寧に聞けるキャリアコンサルタントに求められる姿勢といえるでしょう。
人の成長や変化を支援したい人
キャリアコンサルタントは、相談者が自分らしい働き方やキャリアを見つけていく過程を支える仕事です。そのため、人の成長や変化を支援したいという思いを持っている人に向いています。
相談者は、仕事の悩みや将来への不安などを抱えながら相談に訪れます。キャリアコンサルタントは、その話を丁寧に聞きながら自己理解を深める手助けをし、相談者が自分で考え、次の一歩を踏み出せるようサポートします。
すぐに答えを与えるのではなく、相談者が自分の力で気づきや選択を得られるよう寄り添うことが大切です。人が少しずつ前向きに変わっていく過程を支えたいと考える人にとって、やりがいを感じやすい仕事といえるでしょう。
キャリアコンサルタントになるメリット

キャリアコンサルタント資格を取得するメリットは、キャリア支援に関する専門知識とスキルを体系的に身につけられることです。国家資格として認められているため、キャリア相談の専門家として一定の信頼性を得やすい点も大きな特徴です。
さらに、資格取得の過程でキャリア理論や相談支援の方法を学ぶことで、自分自身のキャリアについても深く考える機会になります。面談スキルやコミュニケーション力、問題整理の力などが身につくため、人材業界や人事職などへのキャリアにも役立つ場合があります。
キャリアコンサルタント資格を取得する方法
キャリアコンサルタント資格を取得するには、「養成講習を修了して国家試験を受験する方法」と「実務経験をもとに国家試験を受験する方法」の2つがあります。

多くの人は、養成講習を受講し、講習修了後に国家試験を受験する方法で資格取得を目指します。一方、キャリアコンサルティングに関する一定期間の実務経験がある場合は、養成講習を受けずに国家試験を受験することも可能です。

ただし養成講座を受けずに国家試験を受験する人は少なく、合格率も低くなる傾向があります。
以下は、令和7年11月に実施されたキャリアコンサルタント試験の結果を抜粋したものです。
キャリアコンサルタント国家試験は、学科試験と実技試験で構成されています。試験に合格した後に登録手続きを行うことで、国家資格キャリアコンサルタントとして活動できるようになります。
キャリアコンサルタントとは「人のキャリアを支える専門家」

キャリアコンサルタントは、働く人のキャリア形成や職業選択を支援する国家資格の専門職です。相談者の悩みや不安に寄り添いながら、対話を通して考えを整理し、納得できる意思決定ができるようサポートします。仕事内容にはキャリア相談(キャリアカウンセリング)や就職・転職の意思決定支援、キャリア形成のアドバイスなどがあり、相談者が自分の経験や価値観を整理しながら将来の方向性を考える支援を行います。
また、キャリアコンサルタントは個人のキャリア支援だけでなく、企業の人材育成や大学のキャリア教育、ハローワークなどの就労支援機関でも活躍しています。相談者の話を丁寧に聞く姿勢や、人の成長や変化を支援したいという思いを持つ人に向いている仕事といえます。
キャリアコンサルタント資格の取得を通じてキャリア理論や相談支援のスキルを体系的に学べることも大きなメリットです。キャリアコンサルタントは、働く人が自分らしいキャリアを築いていくために寄り添い、支える専門家といえます。キャリアコンサルタントは、人のキャリアに関わりながら社会に貢献できるやりがいのある仕事です。
